教員の働き方改革その先へ!本当に必要なのは『業務の質』の転換

先生、働きすぎだよ——。子どもたちの何気ない一言に、胸を締め付けられる先生方は少なくないでしょう。長時間労働が常態化し、疲弊する教員の姿は、もはや社会問題です。政府主導の働き方改革は進められていますが、その効果は限定的。なぜなら、教員の負担を真に軽減するためには、勤務時間の管理だけでなく、「業務の質」そのものを見直す必要があるからです。

教員を疲弊させる「ブラックボックス」。授業以外の業務の実態

教員の仕事は、授業だけではありません。むしろ、授業以外の業務こそが、教員の長時間労働の温床となっているのが現状です。具体的には、部活動指導、保護者対応、事務作業、校内行事の準備など、多岐にわたります。これらの業務は、一見すると教育活動の一環のように見えますが、実際には教員の専門性とはかけ離れた「雑務」であることも少なくありません。

例えば、中学校の先生は、毎日朝7時から夜9時まで学校にいました。授業の準備や採点に加え、部活動の指導、生徒指導、保護者からの電話対応、会議への参加など、息つく暇もない毎日だったそうです。「家に帰っても、明日の授業の準備をするだけで精一杯。自分の時間なんてほとんどありません」と、疲れた表情で語っていました。

教員の業務内容を詳しく見てみると、その多さに驚かされます。授業の準備や採点、生徒の個別指導は当然のこと、保護者との連絡、学校行事の企画・運営、学級日誌の記入、教材の作成、校内清掃、給食の配膳など、その種類は枚挙にいとまがありません。

さらに、部活動指導は、教員の負担を大きく増加させています。土日も部活動の練習や試合に付き添う必要があり、休む暇がありません。部活動の指導は、専門的な知識や技術が必要とされる場合もあり、教員の専門外の分野であることもあります。

このように、教員の業務は多岐にわたり、その多くが教員の専門性とは関係のない「雑務」です。これらの業務が、教員の長時間労働の根本原因となっているのです。

部活は外部委託? 事務作業はAI化?教員の負担軽減策を徹底検証

教員の負担を軽減するためには、業務内容の見直しが不可欠です。具体的には、部活動指導の外部委託、事務作業の効率化、保護者対応の専門家配置などが考えられます。

部活動指導の外部委託は、教員の負担を大幅に軽減する可能性があります。部活動の指導を専門のコーチやインストラクターに委託することで、教員は授業の準備や生徒指導に集中できるようになります。また、専門家による指導は、生徒の技術向上にもつながる可能性があります。

事務作業の効率化も、教員の負担軽減に貢献します。例えば、成績処理や出欠確認などの事務作業をAIやRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)で自動化することで、教員は時間を有効活用できます。また、保護者との連絡をメールやSNSで行うことで、電話対応の時間を削減できます。

保護者対応の専門家配置も、教員の負担軽減に役立ちます。保護者からの相談や苦情に対応する専門のカウンセラーやソーシャルワーカーを配置することで、教員は授業や生徒指導に集中できるようになります。また、専門家による対応は、保護者の満足度向上にもつながる可能性があります。

「部活動の顧問は本当に負担。専門知識がないのに、生徒のために必死に勉強して指導している先生もいる。もっと外部の専門家を積極的に活用すべき。」

このコメントは、部活動指導の外部委託の必要性を的確に指摘しています。教員が専門外の分野で無理に指導するのではなく、専門家が適切な指導を行うことで、教員の負担を軽減し、生徒の成長を促進できるはずです。

以前、ある小学校でICT支援員として勤務していたその小学校では、教員がパソコン操作に不慣れなことが多く、ちょっとしたトラブルでも私に助けを求めてきました。例えば、「プリンターが動かない」「Wi-Fiにつながらない」といった問題です。私は、教員にパソコン操作を教えるだけでなく、教材の作成や授業の準備も手伝いました。その結果、教員の負担は軽減され、授業に集中できるようになったそうです。

先生』という名の便利屋からの脱却。教員の専門性を活かすには

教員の専門性は、授業を行うこと、生徒を育成することにあります。しかし、現状では、教員は「先生」という名の便利屋として、様々な業務をこなさざるを得ない状況です。教員の専門性を活かすためには、教員が授業や生徒指導に集中できる環境を整備する必要があります。

そのためには、教員の業務内容を明確化し、専門性とは関係のない業務を削減する必要があります。例えば、校内清掃や給食の配膳などは、外部業者に委託することができます。また、会議の回数を減らし、会議の内容を効率化することも重要です。

さらに、教員の研修制度を充実させることも、教員の専門性を高めるために不可欠です。教員が最新の教育理論や指導方法を学ぶ機会を増やし、自己研鑽を支援することで、授業の質を向上させることができます。

教員の専門性を活かすことは、生徒の学力向上にもつながります。教員が授業に集中できる時間が増えれば、より質の高い授業を提供できるようになります。また、生徒一人ひとりに寄り添った指導を行うことで、生徒の個性や才能を伸ばすことができます。

まとめ

教員の働き方改革は、単なる勤務時間管理ではなく、業務の質そのものを見直すことから始めるべきです。部活動指導の外部委託、事務作業の効率化、保護者対応の専門家配置など、具体的な改善策を実行することで、教員は授業や生徒指導に集中できるようになります。教員の専門性を活かし、生徒の学力向上につなげるために、今こそ本質的な改革が必要です。