二ホンウナギの完全養殖に成功!近畿大学がウナギ保全の新たな道を切り開く

近畿大学の水産研究所(所在地:和歌山県白浜町)は、絶滅危惧種に指定されているニホンウナギの完全養殖に成功したという素晴らしいニュースを発表しました。

今年の7月に親魚から仔魚を得ることに成功し、その仔魚の飼育期間は112日間だったとのことです。この発表は10/26(木)の午後に行われました。

近畿大学は、国立研究開発法人水産研究・教育機構が2010年に世界で初めて成功した技術をもとに、2023年7月に完全養殖に成功しました。

これは大学としては初めての快挙です。今後は仔魚用飼料の改良やシラスウナギまで安定した生産技術確立を目指します。

ニホンウナギの完全養殖への挑戦

記事のポイント

1️⃣ ニホンウナギの完全養殖への挑戦
2️⃣ 二ホンウナギ完全養殖の可能性

3️⃣ 二ホンウナギ完全養殖成功への道のり

4️⃣二ホンウナギ完全養殖未来への展望

5️⃣ 二ホンウナギ完全養殖今後の課題

6️⃣二ホンウナギ完全養殖総括

仔魚がふ化して完全養殖に成功

2022年9月から成長の良いウナギから催熟を開始しました。そして2023年7月5日に受精卵が得られ、翌日には仔魚がふ化して完全養殖に成功しました。

ニホンウナギは2013年に絶滅危惧種に指定されました。市場で流通しているウナギのほとんどは、漁師が獲ったシラスウナギを養殖したものです。しかし、シラスウナギの漁獲量は年々減少しており、2023年には1kgあたり250万円と、2021年から比べて2倍近く高騰しました。

今回、近大が成功した「完全養殖」とは、研究所内で産卵・孵化・成長、そして再び産卵というサイクルを生み出す方法です。これは天然のシラスウナギ資源に頼らない方法であり、持続可能なウナギ資源の確保につながります。

今後、これらの仔魚は3か月から半年程度でシラスウナギ(稚魚)に成長し、一般的な食用サイズになるまでにはさらに1年ほどかかると予想されています。

この研究は約50年前から始まり、研究者たちは「難しいことにチャレンジした結果」と喜びを表現しています。

二ホンウナギ完全養殖の可能性

読売テレビでは今年の夏にその研究施設を取材しました。特別に内部を見せてもらうと、黒いビニールハウスで覆われた水槽がありました。

その中にいるのはシラスウナギに成長する前の仔魚(しぎょ)と呼ばれるウナギの赤ちゃんです。仔魚は非常に繊細で、水槽に光が入ってしまうと暗い場所に固まり、底などに頭をこすりつけて傷つけてしまいます。そのため、光が入らないように黒く覆っています。

また、エサやりも大変です。エサやりは1日5回行いますが、自分でエサを食べることが難しい仔魚は偶然エサにぶつかなければ食べません。水槽の水は常にきれいな状態を保つために流しており、また別の水槽への入れ替えも必要です。

二ホンウナギ完全養殖成功への道のり

近畿大学・水産研究所の田中秀樹教授は、仔魚は非常にデリケートで、網ですくうとすぐに死んでしまいます。体表が傷つきやすく、一度傷つくとすぐに死んでしまいます。

だからこそ、網ではすくえず、水と一緒に移動させる必要があります・・・・と語っています。

完全養殖では天然のシラスウナギを養殖するよりも、少なくとも10倍のコストがかかるとのことです。

しかし、田中秀樹教授はこのまま天然のものを利用し続けるだけでは、環境に良くない。養殖に使う稚魚は人工的に作るべきだというのが私たちのポリシーです。

持続的に利用し続けるためには、コストがかかっても人工的に作るべきですと完全養殖の必要性を強調しています。

ウナギの完全養殖については、2010年に国立研究開発法人水産研究・教育機構が世界で初めて成功しましたが、大学としては近畿大学が初めての成功となります。

二ホンウナギ完全養殖未来への展望

研究者たちは、会見で難しいことにチャレンジしてきた結果と喜びを表現しましたが、今後の展望については慎重な姿勢を示しました。

今回の研究では、完全養殖に成功したものの、規模はまだ極めて小さく、ウナギは受精卵を得てシラスウナギ(稚魚)にするまでが一番難しいとされています。

近大は、現状の技術では特殊な小規模水槽でのみ飼育が可能なものであり、既存の技術では、シラスウナギを低コストで大量生産できる目途は立っていないとしました。

二ホンウナギ完全養殖今後の課題

近畿大学におけるウナギ研究の経緯について詳しく見てみましょう。

1976年にウナギの種苗生産研究が開始されました。その後、1984年に採卵・ふ化に成功するも、餌を食べることができず、研究は一時的に中断されました。、1998年には研究が完全に中断されました。

その後、約20年以上の時を経て、2019年3月に研究が再開されました。そして同年9月には人工ふ化に成功し、その成果が今回の完全養殖成功へとつながりました。

しかし、この成功が意味するものは何でしょうか?それは、ウナギの生態系保護と持続可能な資源管理への一歩と言えるでしょう。

しかし、その道のりは決して容易ではありません。特殊な小規模水槽でしか飼育できない現状の技術では、シラスウナギを低コストで大量生産することは難しく、その目途はまだ立っていません。

二ホンウナギ完全養殖総括

記事のポイントをまとめます。

  1. 近畿大学の水産研究所が、絶滅危惧種に指定されている二ホンウナギの完全養殖に成功しました。
  2. 完全養殖とは、研究所内でウナギの一生を再現し、天然のシラスウナギ資源に頼らない方法です。
  3. 仔魚の飼育は非常に難しく、特別な環境と手間が必要です。
  4. 完全養殖には、天然のシラスウナギを養殖するよりも、少なくとも10倍コストがかかるとのことです。
  5. 持続的に利用し続けるためには、コストはかかっても、人工的に作るべきだと近大は主張しています。

これからも近畿大学の研究者たちは、難しいことにチャレンジする精神を持ち続けながら、ウナギの完全養殖技術の開発に取り組んでいくことでしょう。

そして私たちは、その成果を待ち望みつつ、彼らの努力と情熱を応援しています。

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