ここ数年、街を歩けば必ず見かける韓国風レイヤーカット。
K-POPアイドルや人気インフルエンサーの影響もあり、その人気は留まるところを知りません。
とはいえ、
「よし、私も垢抜けたい!」と意気込んで美容室に行ったのに、
「あれ?なんか違う…」と鏡を見てガッカリした経験はありませんか?
実のところ、インスタグラムで見る理想のスタイルと、実際に自分がカットした後の仕上がりが大きく乖離してしまうケースは、実は非常に多いのです。
この記事では、読者の方々が二度と失敗したと感じないよう、プロの美容師目線で徹底的に分析しました。
自分史上最高の韓国風ヘアを手に入れるための似合わせ診断チャートから完璧なオーダー術までお届けいたします!
目次
なぜ韓国風レイヤーで「失敗した」と感じてしまうのか?

多くの人が失敗の原因を、自分の髪質や美容師さんの腕のせいだと思いがちでしょう。
しかし、本当の原因はもっと手前の段階、つまり「準備不足」と「知識不足」にあることが多いのです。
流行と自分の骨格・髪質のミスマッチ
今流行っているスタイル、例えば人気女優のパク・ミニョンさんがやっている髪型は、もちろん魅力的ですね。
それでも、そのヘアスタイルは彼女の骨格や髪質に合わせて緻密に計算されているのを知っていますか?
流行だけを追いかけて自分の顔型や髪質を無視してしまうと、
当然ながら「え、何だか顔が大きく見える…」
…といったミスマッチが発生してしまいます。
特に韓国風レイヤーは、顔周りのデザインが非常に重要なので、ちょっとした違いが大きな差を生むのです。
美容師へのイメージ共有不足が引き起こすギャップ
この写真みたいにしてください!…と画像を見せるだけでは、実は足りない場合がほとんどでしょう。
美容師さんはプロですが、超能力者ではありませんから、あなたの微妙なニュアンスや期待を汲み取るのは難しいものです。
例えば、レイヤーの高さや量について具体的な言葉で説明しなければ、思っていたより短くされたという悲劇が起こりかねません(よくある話ですよね)。
このように互いの認識のズレが、最終的な仕上がりの失敗感につながってしまうのですね。
押さえておくべき韓国風レイヤーの基本知識
韓国風レイヤーと一口に言っても、スタイルには様々な種類が存在します。
まずは、代表的な3つの基本スタイルを理解し、なりたい自分を明確に定義しましょう。
王道「ヨシンモリ」の特徴と似合う人
「ヨシンモリ」は韓国発祥のヘアスタイルで、韓国語で「女神(ヨシン)の髪型(モリ)」を意味します。
その名の通り、女性らしく優雅で、ふんわりとしたボリューム感と大きなウェーブが特徴です。
鎖骨より下に設定された長めのベースと、全体的に高すぎない位置から入るレイヤーでしょう。
毛先から顔周りにかけて、まるで大きなS字を描くような、ゆったりとしたウェーブで巻くのが基本です。
ヨシンモリとは、 韓国語で「女神ヘア」とも呼ばれる人気の韓国風巻き髪のこと。
名前の通り、女神のように優雅でゆるやかなシルエットが特徴です。
トップにふんわりとボリュームを出し、サイドの髪は大きく外巻きにすることで魅力的に仕上がります。また、顔まわりを包み込むような外巻きウェーブが、フェイスラインを優しくカバーし、小顔効果もアップ。
ヨシンモリは、どのレングスに取り入れても上品な雰囲気に仕上がるため、幅広い年齢層に合わせやすい巻き髪なんです。
特に、大人っぽさや上品さを求める方、そして髪の長さがミディアム〜ロングの方にバッチリ似合います。
小顔効果抜群「エギョモリ」とは?顔周りのレイヤー定義
「エギョモリ」とは、韓国のトレンドヘアスタイルで、顔周りの髪の毛を後ろに流してくびれを作ったスタイルを指します。
韓国語の愛嬌(エギョ)と髪型(モリ)を組み合わせた言葉で、顔周りを柔らかいカールで包み込み、小顔に見せる効果があります。
韓国風のヘアスタイルのなかでも人気なエギョモリ。ずばりエギョモリとは、こめかみなど顔まわりの髪の毛を後ろに流して、くびれを作ったヘアスタイルのことです。
「エギョ」は愛嬌、「モリ」髪型を意味し、可愛くも大人っぽくもなれるヘアスタイルとして注目されています。
(引用:Siro 中目黒【シロ】)
「エギョモリ」は、愛嬌ヘアと呼ばれるように、顔周りを包み込むような特徴的なレイヤーを指します。
サイドバングから頬骨のラインに沿って流れ込むS字の毛束が、最大のポイントとなるでしょう。
この毛束が、気になるエラや頬骨をシュッとカモフラージュしてくれるため、どんな顔型の方でも小顔効果を最大限に引き出せる点が魅力です。
全体的な長さに関わらず取り入れやすく、特に顔周りの印象を変えたい人におすすめします。
短めボブにも使える「タッセルカット」の定義
最近、日本でも大ブームとなっているのが「タッセルカット」です。
毛先がぱつっと切りそろえられた、ストレートで軽やかなボブスタイルのことです。
インテリアの房飾りの「タッセル」に似ていることから名付けられました。
日本では「切りっぱなしボブ」に近いスタイルで、ストレートや外ハネなどのシンプルなスタイリングが特徴です。
これは、毛先を重めに切り揃えた切りっぱなしボブをベースにしつつ、表面にわずかなレイヤーを入れることで動きを出したスタイルでしょう。
画像:Instagram 前髪ありであごラインの前下がりボブは、いわゆる「おかっぱヘア」をイメージさせるシンプルでかわいいヘアです。長めバングからさりげなくつながるサイドレイヤーが、小顔効果も期待◎ クールとかわいいをミックスした洗練タッセルヘアです♪
重さと軽さが同居するモード感のある仕上がりで、アイロンで軽く外ハネさせるだけで、まるでタッセル(房飾り)のようなパツンとした毛先の質感が表現されます。
ボブ〜ロブの長さで、カジュアルさとトレンド感を両立させたい方に最適なカットだと言えます。
自分に似合う韓国風レイヤーを見つけよう
さて、ここからが本題です。
あなたに本当に似合う韓国風レイヤーを見つけるための3ステップ診断を試してみましょう。
STEP1:顔型(丸顔、面長、ベース型)による似合わせチェック
あなたの顔型に合わせて、レイヤーを入れるべき場所、ボリュームを出すべき場所が明確に変わってきます。
丸顔さんは縦長効果を意識したレイヤー
丸顔さんが失敗しやすいのは、サイドにボリュームを出しすぎて、顔の横幅が強調されてしまうことでしょう。
そのため、レイヤーは高めの位置から入れ、トップに「ふんわり」とした高さと動きを出すことが最重要です。
顔周りのエギョモリも、頬骨をカバーしつつ、縦のラインを強調するように、流れを意識して設定してもらいましょう。
面長さんは横幅を強調するレイヤー
面長さんが避けるべきは、縦長の印象をさらに強調してしまうストレートなロングヘアや、トップのボリューム出しすぎでしょう。
対策として、レイヤーを比較的低めの位置から入れ、サイド全体に「ふわっ」とした横幅のボリュームが出るように調整してください。
また、前髪はシースルーバングや、長めのサイドバングで横に流し、顔の長さを分断することが効果的です。
ベース型・エラ張りさんは顔周りのカモフラージュが鍵
ベース型やエラ張りさんは、角張ったラインをいかに自然に隠すかが成功の鍵を握ります。
迷わず、顔周りの「エギョモリ」を、エラが隠れる位置でたっぷりめに作ってもらいましょう。
このエギョモリのS字カーブが、エラの硬いラインを優しく包み込み、丸みのある柔らかな印象に変えてくれるのです。
毛先は、顎より少し長めに設定すると、さらに全体のバランスが整うはずです。
STEP2:髪質・毛量に合わせたレイヤーの入れ方
田中さんのように髪が太くて硬い人や、猫っ毛でぺたんこになりがちな人では、レイヤーの役割が異なります。
- 髪が多い・硬い方:レイヤーは低めに設定し、毛量をしっかりと削ぐことで、重い印象を解消できます。内側に動きを出しつつ、表面は落ち着かせるように調整してもらいましょう。
- 髪が少ない・軟らかい方:トップに高めのレイヤーを入れ、根本からボリュームが出やすいように工夫します。レイヤーが動きを出すことで、全体の毛量がアップしたように見えます。
STEP3:なりたい雰囲気(大人っぽい vs. 可愛い)での最終決定
最後に、あなたが目指す雰囲気で最終的なスタイルを決めましょう。
- 大人っぽさ・エレガント重視なら:ヨシンモリベースで、レイヤーは低め、長さはロングで設定します。
- 可愛さ・小顔効果重視なら:エギョモリを強調し、全体的な長さはミディアムからロブで設定するとキュートさが際立ちます。
「私は2月のデートで大人っぽく見せたいから、やっぱりヨシンモリね」…のように、具体的なシーンを思い浮かべると決めやすいでしょう。
美容師に100%伝わる!失敗しないオーダー術
いざ美容室へ!…似合うスタイルがわかったら、あとは美容師さんに正確に伝えるフェーズです。
これが失敗を回避する最も重要なステップであると言っても過言ではありません。
1. 必ず持参すべき参考画像の選び方と注意点
参考画像は、最低でも3枚持参するのがベストです。
なぜなら、正面からの写真だけでは、レイヤーの深さや後ろ髪の長さが伝わりにくいからです。
具体的には、
「正面(なりたいイメージ全体)」
「サイド(顔周りの処理)」
「巻いていない状態(カットラインの確認)」
…この3種類を用意しましょう。
美容師さんは、画像を見て「ふむふむ、この人はカットライン重視なんだな」…と理解してくれるはずです。
2. 伝えるべき3つのポイント(長さ、レイヤーの高さ、顔周りの処理)
抽象的な言葉は避け、定規で測れるような具体的な指示を出すのがプロのオーダー術です。
- 全体の長さ:「鎖骨下5cm」や「胸上ギリギリ」など、終点を明確に伝えます。
- レイヤーの高さ:「一番上の短い毛束が、顎のラインからスタートするように」と、顔のパーツを基準に指定しましょう。
- 顔周りの処理(エギョモリ):「エラを隠したいので、一番短い毛束がエラの真ん中に落ちるようにしてください」と、目的と長さを同時に伝達します。
3. スタイリングの悩みも先に相談する
あなたは普段、どれくらい時間をかけてスタイリングをしますか?
「朝はバタバタするので、コテを使うのは5分で終わらせたいんです」…のように、日常生活の状況を最初に相談しましょう。
もしスタイリングに時間をかけられないなら、乾かすだけでレイヤーの動きが出やすいよう、カットで調整してもらえます。
この一手間で、カットは可愛いのに、家で再現できない…という悲しい事態を回避できるでしょう。
韓国風レイヤーを長持ちさせる自宅スタイリング術
どんなに完璧なカットをしてもらっても、自宅でのスタイリングが疎かだと、すぐに形が崩れてしまいます。
美容室帰りのようなツヤツヤ、ふんわりをキープするための、必須テクニックをご紹介します。
自宅で再現する「ワンホン巻き」の基本テクニック
韓国風スタイリングの代表格といえば、大きなリバースカールが特徴のワンホン巻き(中華風巻き)です。
これは、顔周りを外巻き(リバース巻き)にするのが絶対条件でしょう。
40mm程度の太めのコテを使い、顔周りの毛束を少量取り、床と平行になるようにコテを横にスライドさせながら巻くと、根元から「くるん」とした大きなカールが作れます。
大切なのは、毛先だけでなく、中間からしっかり熱を通すこと。
熱を加えた後、冷めるまで手で形をキープすれば、持ちが格段にアップします。
おすすめのヘアケア&スタイリング剤

ウェット感溢れる濡れ髪へと導くスタイリングオイルです。乾燥や絡まりで広がる髪をまとめ束感濡れ髪へ。
NILE伝統のリラックスを導く香りで、スタイリングや髪質。香りも楽しむ新感覚のヘアフレグランスオイルです。
韓国風レイヤーは、ツヤと質感が命ですから、ヘアケアには手を抜いてはいけません。
巻き髪をキープするためには、柔らかいテクスチャーのオイルやバームで、毛先に潤いと束感をプラスするのがおすすめです。
仕上げには、ハードすぎないキープスプレーを、内側から軽く吹きかけると良いでしょう。
特に湿気が多い梅雨の時期などは、スタイリング剤に頼ることで、朝の仕上がりが夕方まで崩れにくくなりますよ。
自宅での再現性が高まれば、毎日が美容室帰りのような気分になること間違いなしです!
まとめ
韓国風レイヤーで後悔してしまう主な原因は、トレンドと個人の骨格や髪の性質が合わないこと、そして美容師との認識のずれにあります。
人気スタイルには「ヨシンモリ」「エギョモリ」「タッセルカット」などがあり、それぞれ異なる特徴を持っています。
自分に最適なスタイルを選ぶには、顔の形や髪質、理想とする印象を考慮することが大切です。
美容室では、具体的な写真を用意し、髪の長さ・段の位置・顔まわりのデザインという三つの要素を明確に伝えましょう。
さらに、普段のセットに関する悩みも事前に相談することで、失敗を防げます。
美しいスタイルを維持するためには、自宅での「ワンホン巻き」などの技術習得や、適切なヘアケア製品の使用も重要なポイントとなります。




