私、母と同じ口癖!突然の気づきに背筋が凍るアラフォーへ!親に似てきた習慣を変えるためのヒントとは?

ああ、また言っちゃった…鏡を見てドキッとする瞬間はありませんか? 

それは、服のシワを伸ばす手の動きかもしれませんし、あるいは、家族に向けた小言かもしれません。

若い頃は、

「絶対にお母さんみたいにはならない!」

…と心に誓っていたのに、30代後半から40代に入った途端、ふと気づくと、あの頃の自分の母親と瓜二つの言動をとっている――。

この、アラフォー女性に共通する、ちょっぴり戦慄の体験を母親習慣化現象と呼んでいます。

これはあなたが努力不足だからでも、個性を失ったからでもありません。誰もが通るごく自然な体の変化と、環境やそして遺伝子の不思議な力が絡み合って起こる現象なのです。

この記事では、この母親習慣化現象のリアルな“あるある”から、私たちがなぜ母に似てしまうのかという科学的な理由、そして、それを前向きに受け入れて自分らしく生きるためのヒントまで紹介していきます。

“母親習慣化現象”って一体何?誰もが通る道?

ある日突然、

「あれ?この言い方、うちの母と同じだ」

…と気づいて背筋が寒くなる。これが母親習慣化現象の第一歩です。

母親習慣化現象とは、年齢を重ねる中で、それまで意識していなかった母親の習慣や口癖、考え方が、まるでコピーされたかのように自分自身に現れてくる現象を指します。

この現象は悪いことではなく、家族の中で受け継がれてきた知恵や価値観の現れとも言えます。ただし、時代やライフスタイルが変わった今では、必ずしもすべてが自分に合うとは限りません。

1. 若いうちは否定していた“母の習慣”

学生時代や20代の頃は、母親の過度な心配や、細かすぎる家事のやり方、古い価値観などを、

「うざい」

「非効率的」

…だと感じ、強く反発していたかもしれません。

例えば、

「なんでラップがもったいないって、サランラップを再利用するの?」

「靴下の裏に穴が開いたくらいで、いちいち繕わなくていいのに」

…など、母の行動をクールに見つめていたはずです。

あの頃の私たちは、個性的で自由、そして母親とは違う新しい生き方を目指していましたよね。

2. 30代・40代で急増する気づき

しかし、結婚や出産、あるいは仕事で責任のある立場になったり、自分の健康を気遣うようになったりすると、状況はガラリと変わります。

疲れて帰宅したとき、なぜか無意識に、母がいつもやっていたのと同じ方法で料理を始める。子供に注意するとき、耳慣れないはずの「〜だめよ」という独特なイントネーションが出てしまう。

こうした戦慄の気づきは、30代後半から40代にかけて急増します。

「私、いつの間にか、お母さんになってるじゃん!」

…と、誰もが一度は驚き、戸惑い、そして少しだけ笑ってしまう瞬間です。

気づけば“実家の母そっくり”になっていた

ここでは、多くの女性が共感する、代表的な母親習慣化現象の“あるある”を紹介します。

いくつ当てはまるか、チェックしてみてください。

食材ロスを許さない“もったいない精神”の継承

かつては新鮮なものしか食べなかったはずなのに、今や冷蔵庫の残り物チェックが日課です。

  • 賞味期限ギリギリの食材を、何が何でも使い切る献立を瞬時に考案する。
  • パンの耳や野菜の皮を「これ、使えるかも」と冷凍保存し始める。
  • 家族が残した料理を見て、無言で「もったいない…」とつぶやく。

特に、節約意識が高いわけではないのに、食品を捨てることに強い罪悪感を覚えるようになったら、それは母親習慣化現象のサインかもしれません。

会話の節々に登場する“謎の慣用句”と早口

「まあ、そう言わずに茶でも飲んでいきなさい」

「こんなこと、世間に言ったら笑われるわよ」

…など、自分が使ったことのないはずの、昭和の香りがする慣用句や決まり文句が口をついて出てきます。

また、相手の返事を待たずに、結論まで畳み掛けるように話す「早口・継ぎ足しトーク」も、気づけば母から受け継いだスキルかもしれません。

とりあえず冷蔵庫へ!調味料や食品の配置方法

買い物を終えて帰宅したとき、食品を配置する場所が、実家の冷蔵庫や棚の配置と驚くほど同じになっていることがあります。

特に、調味料や開封済みの食品は、

「とりあえず、傷まないように冷蔵庫へ」

…と、何でもかんでも冷やしてしまう癖。

以前は冷蔵庫がパンパンで使いにくいと文句を言っていたはずなのに、今や自分がその張本人です。

突然の健康マニア化と家族への過度な心配

自分自身の体調の小さな変化にも敏感になり、急に健康食品やサプリメントや自然療法に詳しくなり始めます。

その知識を家族に熱心に伝え、家族の体調が少しでも優れないと必要以上に心配し、様々な民間療法を試させようとします。まるで、昔の自分が風邪をひいたときに心配しすぎた母親のように…。

服装や趣味や持ち物が地味になっていく

流行を追うことに疲れたのか、

「とにかく楽なもの」

「汚れても目立たないもの」

…気づけば選ぶようになります。

華やかなアクセサリーよりも実用的なエコバッグ、ビビッドな色合いよりもアースカラーの服。誰に見せるわけでもないという思考回路は、母がよく言っていた言葉そのものです。

なぜ母に似てしまうのか?心理学と遺伝子の不思議

母親習慣化現象は、単なる気のせいではありません。私たちの心と体、そして環境が深く関係していることが分かっています。

専門的な言葉を極力使わず、なぜ似てしまうのか、そのメカニズムを探ってみましょう。

育ってきた環境の再生産(環境要因の力)

私たちは生まれた瞬間から、母親の行動パターンを無意識のうちに学んでいて、それを見てお手本としています。

特にストレスがかかるときや、何かを急いで決めなければならないとき、人は慣れた方法を選ぶ傾向があります。あなたが一番慣れている方法とは、幼少期から毎日見てきた母親のやり方なのです。

育児や家事、近所付き合いなど、人生における正解が分からない直面したとき、脳は自動的に母のデータを引っ張り出し、それを実行することで安心感を得ようとするのです。

歳を重ねることで露呈する“遺伝的要素”

もちろん、育ちだけでなく、生物学的な理由も関係しています。

親から子へと受け継がれる遺伝子は、顔立ちや体質だけでなく、気質や性格、ストレスへの反応パターンにも影響を与えます。

若い頃は、流行や自分の意志によって、遺伝的な傾向を抑え込むことができます。しかし、年齢を重ね、ホルモンバランスが変わったり、体力が落ちたりすると、本来持っている遺伝子の性質が強く表に出てきやすくなるのです。

例えば、母親が持っていた几帳面さや心配性といった性質が、あなたが疲れているときに母の口調という形で現れてしまうのは、遺伝的な傾向が露呈した結果かもしれません。

ストレスと疲れが引き起こす“無意識の習慣”

母親習慣化現象が加速する大きな要因の一つが、「慢性的な疲労」と「ストレス」です。

私たち大人は、常に多くのことを考え、判断し、実行しています。脳が疲弊している状態では、新しいアイデアや、自分らしい行動パターンを生み出すエネルギーが不足してしまいます。

すると、脳は思考を省略(ショートカット)できるパターンを無意識に選びます。それが、最もインプット量が多く、すぐに実行できる母親の習慣というわけです。

つまり「母に似てきたと感じるのは、あなたが頑張りすぎていて、脳が休息を求めているサインでもあるのです。

「母化」を受け入れる方法と変える方法

母親習慣化現象に気づいたとき、一瞬落ち込むかもしれませんが、決して悲観する必要はありません。

それはあなたが、長い人生の中でしっかりと愛を受け継ぎ、家庭や社会で頑張っている証拠です。

大切なのは似ている部分を認めつつ、「自分らしさ」とのバランスをとることです。

似ている部分をポジティブに捉え直す

あなたが母親から受け継いだ行動パターンの中には、きっと素晴らしい知恵や習慣が隠されています。

例えば、食材を無駄にしないもったいない精神は、エコで経済的な素晴らしいスキルです。心配性な口調も、裏を返せば愛情深く、周囲をよく見ているということです。

◆昔嫌だった母の行動◆ポジティブな解釈
・何でも冷蔵庫に入れる食品管理のプロ意識、安全性への配慮
・細かくて小言が多い観察力が高く、物事を丁寧に進める力
・服装や趣味が地味流行に流されない、自分軸を持った選択

自分が母に似ていて嫌だと感じたら、その行動の裏にある母の優しさや合理性に目を向けてみましょう。

これは、母から受け継いだポジティブな財産として捉え直すチャンスです。

自分自身の個性を取り戻すための3つのアクション

母とは違う自分を再確認するために、簡単なアクションを起こしてみましょう。

これは、疲れた脳に新鮮な刺激を与えることにもつながります。

① 母との違いを意識的に見つける

あなたの母親が苦手だったこと、やらなかったことを、あえてやってみる時間を作りましょう。 例:母が料理嫌いなら、凝った料理に挑戦する。母がデジタルに疎いなら、新しいガジェットを使いこなす。

② 自分のためだけの「ご褒美習慣」を作る

家族のため、母としてではない、「あなた自身」の喜びのための習慣を週に一度は実行しましょう。これは母の習慣の「ショートカット」から抜け出し、脳に「新しい自分」を認識させる作業です。

③ 趣味や興味の輪を広げる

実家の母とは接点がない、新しいコミュニティや趣味に飛び込んでみましょう。新しい価値観に触れることで、無意識に刷り込まれていた行動パターンから離れることができます。

母とは違う形で、新しい習慣を構築する

母から受け継いだ習慣の中には、今の生活に少し合わないと感じるものもありますよね。

たとえば家計簿をノートに書くこと。丁寧で素敵な習慣ですが、忙しい毎日の中では少しハードルが高いかもしれません。そんなときは、母とは違う形で続けてみるのも一つの方法です。

目的がお金の流れを見直すことなら、家計簿アプリでも十分その想いを受け継げます。

大切なのは、母のやり方をそのまま真似することではなく、自分のライフスタイルに合わせて新しい習慣として取り入れること。そうすれば、無理なく続けられ、自分らしい形が見えてきます。

また、母の考え方を否定するのではなく、

そんなやり方も素敵だと感謝の気持ちを持ちながら、私はこうしてみようと提案できたら理想的ですね。

世代や環境が違っても、想いはつながっています。母とは違う形、新しい習慣を通して、お互いを尊重しながらより心地よい関係を築いていきたいですね。

母の習慣が良いものであっても、現代のライフスタイルに合わないものもあります。 そんなときは、母の目的を理解しつつ、新しい手段を取り入れてみましょう。

まとめ

母親習慣化現象は、時に驚き、時に笑える、大人の女性にとって避けられない自然な現象です。

あなたが母親に似ている部分を見つけたとしても、それはあなたが母親の愛情や知恵を、しっかりと受け継いでいる証拠です。

遺伝子と環境の不思議な力によって、あなたは新しい世代へと命と知恵を繋いでいるのです。

似ている部分はポジティブな力に変え、変えたい部分は新しい習慣で上書きする。この柔軟な考え方こそが、今の私たちに求められていることです。

今日から、鏡に映る自分の中のお母さんに、優しく微笑みかけてみませんか? 

私たちは、母から受け継いだ「愛」と「強さ」を力に変えて、これからも自分らしく輝けるはずです。